憲法記念日を明日に控え中日新聞今朝の紙面。一面トップ大きく「改憲気運 高まらず 70%」脇に一つ小さい活字で「9条改正 賛否拮抗」
賛否の拮抗は「改正する必要がある」が50%、「必要はない」が48%。確かに拮抗している。(紙面コピー左上のグラフ)
「改憲論は必ずしも強まっていない実態が浮き彫りになった」と書いてる。さらに国会での改憲論議を「急ぐ必要がある」は50%、「必要はない」は48%。
さてその先の記事を読んでいくと、
判りにくいんだけれど、「改憲の必要があると思うか」との問いに「ある」「どちらかといえば」を含め計68%。「ない」「どちらかといえば」を合わせ30%。
どうなってるんだ。問6に9条を改正する必要がありますかと設問。その回答が必要50%。必要ないが49%。これが上のグラフですね。
でも文中で「憲法改正は必要」が68%と書いてる。だったら憲法改正を国民は必要と思ってるって事なんでしょ。
判りにくいので21面にある結果詳報を確認。
問1 憲法改正に関心がありますか。
ある 23% ある程度ある 47% 計70%
ない 6% あまりない 24% 計30%
問2 改正する必要があると思いますか。必要はないと思いますか。
必要がある 24% どちらかといえば必要 44% 計68%
必要はない 9% どちらかといえば必要ない 21% 計30%
あれ何か変だぞ。改憲に関心ありが70%、改憲が必要68%。国民の多数は改憲が必要だと思っていますね。
それを「改憲気運 高まらず 70%」と一面見出しに持ってくる。この70%という数字が肝なんでしょう。
この設問は問20「岸田総理は任期中の改正に意欲を示すが、あなたは国民の間で改憲の機運は高まっていると思いますか」というものの回答。急ぐ必要云々は問18。
よく見ない人は改憲否定は70%と短絡する。それを狙ってるんでしょう。マスコミの目眩ましテクニック。
本来の見出しは問1と問2の「改憲に関心ありが70%、改憲が必要68%」とすべき。世論調査の都合の良いところだけ切り取って読者をミスリードしてる。
もう一つのテクニック、あちこちに改憲阻止の記事を分散させてる。
3人が意見を述べてるけれど改憲が必要とする側の意見はない。社説でも朝鮮戦争にかこつけて暗に憲法改正を否定している。
後ろの方の紙面に「編集日誌」という記者の書くコラムがあるんですがそこで、「明日の憲法記念日を前に世論調査などを多面でお届けします」として、
・・ロシアのウクライナ侵攻の中でも、改憲の気運が高まっていないと答えた人が大半でした・・
と書いてる。この小さな記者コラムは曲者で、長い記事は読まれませんからこうした短いコラムでの誘導はかなり有効。
読者ページに「変えるべきか憲法9条」という52歳主婦の投稿。
見出しは編集部がつけたんでしょうね。投稿は編集部で添削しますって断りがある。尺の事もあるし端折ったりもあるでしょう。
この投書はロシアの非道とウクライナの必死で国を守る誇り、世界情勢の厳しい現実に直面しその上で日本の国防をどうすれば良いのかを考え始めてる。
多くの人がこの人の意見と同じく、今回の戦争で9条平和の実相に気が付きこれではイカンと思い始めたんじゃないんですか。
いたってまともな動き。遅すぎるけれどそれでも気がつき始めた。中日新聞はそれに水を差してますね。