晴れたり曇ったり

毎日空を見て暮らしています。良い天気の日もあるし曇ったり荒れたりする日もあるし、日々繰り返し。

各務原アルプスの地質 2億年前の放散虫が堆積したチャートで出来ている

 郷土の歴史、当市各務原の歴史を研究するグループが幾つかあってこれに市の主催する講座もある。それぞれ隔月開催なので毎月受講。市の方は10,11月の集中講座。

 都合がつけば全てに出席、これが面白くて、昔は旧中山道が東西に走ってるだけの荒野だったと思っていたら古代から今に至る迄歴史の痕跡そこかしこ。

 石器時代、縄文、弥生、古墳と来て平安、武士の時代。近世に至っても史跡、史料、記録身近なところに残って連綿と続くこの地域の時の流れが俯瞰できる。

 さらに10月から始まった市の講座では、まだ人の気配がなかった頃の地球の歴史、この地の山や谷や川がどのようにして出来たのかを案内してくれる。

 

 1回目は先週行われ座学、いつも登っている東西10キロほど続く山並み、直線的に伸び尾根の縦走が出来る。その理由はこの山筋がチャートで出来ているから。

 南の海の中に堆積した地層が海洋プレートに押され層ごとに積み重なっていく。5千万年、一億年と時をかけてこの地にたどり着いた。

 その層のうち柔らかい泥岩層や砂岩層は風化侵食され谷になり硬いチャート層は残り山並みを形作る。それが各務原アルプスと名のついた300メートル級の山筋。

 そのチャートという地層、成り立ちは大洋中に棲息する放散虫という生物の死骸が堆積し出来たもの。殻は(SiO2)2酸化ケイ素で出来ており堆積速度が非常に遅い。

 1000年で数ミリしか堆積しない。そんな時間をかけた堆積層がはるばる移動して岐阜県にまでやって来たと、いらっしゃいそしてご苦労さん。

 

 2回目講座はフィールドワーク。山に登ればチャート層確認できるけれど登らなくてもチャート地層が確認できる場所があってそれが木曽川の河原。砂岩、泥岩、チャート層が狭い範囲で集まっている。

 講座の指導をしてくれたのは小嶋智名誉教授。名古屋大学を経て岐阜大学教授。ここは地層サンプルの好例、世界の多くの外国人教授、研究者を案内しているという。

 長年研究者であり学生の指導者でもあり教え方が実に要領を得て判り易い。屋外だと声が聞こえない場合もあるけれどワイヤレスが配布され聞きとれる。

 

 赤レンガ色のチャートが筋状に続く。

 その筋は層が重なって出来ている。

 層の堆積速度は1000年で数ミリ。

 これだけ堆積してチャートになるのにどれだけの時間が掛かっているのか。」

 三畳紀からジュラ紀にかけて形成されたものとか。

 三畳紀, 2億5200万年前~2億100万年前. ジュラ紀, 2億100万年前~1億4500万年前

 黒い層は泥岩層だという事。

 岩石ハンマーで教授がチャートを割りサンプルを見せてくれた。顕微鏡で見ると放散虫の遺骸が見えるそうで(0.2ミリ程度)、貰って帰り虫眼鏡で見るが判らずww。

 左がチャートで右は泥岩。チャートに較べ鈍い光の反射

 

 木曽川の流れ、対岸の緑、山紫水明。その足元に2億年前の地球の痕跡。

 遥けき時間のスケールと自分の年月を対比させ、自分もまた放散虫の様なものだと、2億年後に痕跡残ってるか。

 政治やら戦争やら地球上の争い事も2億年たったら夢まぼろし