晴れたり曇ったり

毎日空を見て暮らしています。良い天気の日もあるし曇ったり荒れたりする日もあるし、日々繰り返し。

関東大震災から12年 処理水の処理 風評被害というオバケ

 3月11日、2011年、12年前に東日本大震災が起きた日。報道各局、各紙、震災特集を組んで報道。多くの犠牲者への鎮魂の日。

 12日日曜日、NHKの日曜討論、車中ラジオで冒頭部分を聞く。帰ってからお昼のNHKニュース、日曜討論の抜粋、現地の復興と課題にについて、復興相と福島、宮城、岩手県知事らの意見を報じてた。

www3.nhk.or.jp この中で処理水について、

 渡辺復興相 

 ・・たまる処理水を、基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画について、「まだまだ説明責任があり、漁業者にしっかり理解してもらう努力は最大限していかなければならない。

 消費者のためにも、さまざまな視点で安全、安心感を訴えていきたい」と述べた。


 福島県知事

 ・・内堀知事は、「漁業者は、処理水の放出によって新たな風評が起きるのではないかと強い懸念や心配を持っている。

 政府は、幾度も丁寧な説明を行い漁業者との信頼関係を構築することが重要だ。福島県だけでなく日本全体の問題で、国や東京電力は責任を持ってこの問題に対応してほしい」と述べた。

 
 風評被害wikiによれば、

 ・・正確に事実や正確な情報を伝えていない噂が広まったことで、被害を蒙ったと考えられる場合に、その被害や一連の事象を呼ぶためにもちいている呼称・・

 とあって、報道被害もこれの一部に当たるとある。

 正確に事実や情報を伝えないとあるけれど、伝えたけれど伝わっていない事もある。これは伝え方の問題。伝達、報道機関の問題。

   
 処理水とは、経済産業省のHPに解説がある。 

www.meti.go.jp ・・東京電力福島第一原子力発電所の建屋内にある放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまで浄化した水のことです。

 ・・トリチウムについても安全基準を十分に満たすよう、処分する前に海水で大幅に薄めます。
薄めた後のトリチウムの濃度は、国の定めた安全基準の40分の1(WHO飲料水基準の約7分の1)未満になります。

 ・・安全基準を満たした上で、放出する総量も管理して処分するので、環境や人体への影響は考えられません。

 

 国の基準の1/4、安全基準を満たして環境、人体への影響は考えられないとはっきり書いてる。

 これ以外にも国際機関のIAEAも福島の処理水は十分安全だとお墨付きを与えてる。 

www3.nhk.or.jp 国も原子力の国際機関も福島の処理水は安全だと公表してる。だったら安全でしょ。NHKもニュースにしてるのに何でそれが理解されて広まらないのか。

 その理由は、NHKも各報道機関もそうだけれど、このニュースの後に続く「ただ」以降の加え書き。

 ・・ただ、処理水の海洋放出は地元を中心に風評被害を懸念する声が根強く、政府と東京電力が漁業者や全国の消費者など関係者の理解をどう得ていくかが引き続き課題です・・


 「風評被害の懸念」その懸念を作ってるのは、実はマスコミでしょう。特にNHK、公共放送のくせして公平でフラットな報道をしない。

 公共放送という看板を掲げ国民から受信料を分捕ってるくせに、この処理水が安全である事について国民に対し丁寧な報道を行ったのか。

 せめて公共放送のNHKが「処理水は安全ですよ」と報じれば多くの国民は処理水の事を理解する。モリカケと一緒で「アヤシイ」と付け加えれば何時までたっても風評は消えない。

 

 風評は「デマ」とも似てる。デマは、事の大きさにその事の曖昧さが乗じられて膨らむ。放射線は見えないから漠たる被害への恐怖に不安はつのる。

 マスコミだって処理水が安全である事は判ってる。判ってて「ただ」を繰り返す。この何時までも解決しない事は韓国や中国の利に適う。

 韓国や中国は日本の原子力発電、原子力技術開発がストップすればオイシイから処理水でも出しゃばって文句をつける。自分たちは垂れ流しておきながら。

 結局のところ処理水に関する風評被害とは情報を適切に伝えないマスコミの姿勢に問題があるって事でしょう。


 

  中日新聞3月6日付け紙面、考える広場という特集ページで東日本大震災福島原発事故の事について、玄侑宗久という作家で僧侶が何か云ってた。

 この人は中日新聞元社長の小出宣昭姜尚中とつるんで毎年長良川河畔のホテルで講演会、鼎談を行ってますね。

 その聞き取り記事の中で処理水について、

 ・・今注目してるのは原発からの汚染処理水をめぐる動きです。海洋放出するしかないにしても反対する人たちに本当に言葉を尽くしているのでしょうか。

 ・・意見の違う人々が何かの形で形で合意を作るというのが民主主義の力だとすれば、それがどん底まで弱っているのではないか・・

 

 その隣には福島の漁師の聞き取り、風評で魚の値が下落する事と処理水が海水に悪影響を及ぼさないかと危惧。更にトリチウムの枠を超えて原発不安を口にする。

 他の放射性物質は取り除いて希釈したトリチウム水の排出なんだからその事について論ずればいいのに他の不安を持ってきて処理水に反対してる。

 玄侑宗久のHPを見ると例えば放射線量について福島の人は心配し過ぎる事はないと書いてるし処理水についても福島民報中日新聞と同様の記事を書いてる。

genyu-sokyu.co 中日新聞の企画した記事だからこういう紙面になる。僧侶、漁業者の云う事に納得する処もあるけれど結論として処理水の解決にいつ終わるとも判らぬブレーキを掛けてる。

 日本の政治の停滞、その根っこはマスコミの独りよがりな報道姿勢にある。Colaboには沈黙する偏向が証左。