6月16日(日)の中日新聞読書欄、「NHKは誰のものか」という本の書評が載っていた。書き出し、
・・NHK受信料をこのままこれからも払い続けなければならないのだろうか・・
日頃NHKに対し不平不満を持ち受信料を払いたくないと思ってる自分には時宜を得た著作だと次を読み進める。然しすぐ「オッ」は「なんだ」に変わる。
著者は、慰安婦を取り上げたNHK番組を巡り、安倍晋三氏ら政治家からの圧力で改変させられたと2005年に職員として告発した側の人。
その後もNHKと政権との歪んだ関係が続く実態を近年の事例に照らし世に問うた著書だという事。まるで反対の立場に立つ人が書いた本の書評だった。
続いて書評はかんぽ生命の不正問題のスクープ、2020年菅元首相が就任直後に日本学術会議の任命拒否問題を扱う番組に触れる。
この件では政府寄りの有識者インタビューを追加した事が問題らしい。東京五輪開催の是非を問うNHKスペシャルでは権力に忖度する幹部の振る舞いが問題だといってる。
もうこの辺りでお腹いっぱいになっちゃったけど要するに制作側が進めた番組にクレームがつくのが不満らしい。
その先に面白い事が書かれていた。
・・官邸の意を汲んだ財界出身者の会長(任期3年)は5人も続く。著者らは22年、前川喜平氏を推薦候補とする市民運動を起こしたが・・
・・首相が任命する経営委員会の全員が現会長の稲葉延雄氏を選んだ・・
なんか急に話のレベルが下がって脱力。人それぞれ人物の評価は違うけれど、稲葉氏がどういう人かは知らないけれど、そりゃ稲葉氏を選ぶでしょう。
そして、
・・いい番組をたくさん放送しても、政治権力からの自主自立を堅持できないのであれば、公共放送を名乗る資格はない・・
と断じ、
・・安倍一強の時代に浸透した官邸によるNHK支配の構造を現場証言を交えて丹念に描いた本書のタイトルの答えは記すまでもないだろう・・
と締める。自主自立って、だったら自立して自分の金でやれば良い。国民からカネとって国民の声は聞かないってか。
本のタイトルへの答えは簡単、NHKは受信料払ってる国民のものですよ。そして現状では、お返しするけど、公共放送を名乗る資格はない。
番組を作ってる自分たちのものだと勘違いしてないか。片寄った報道をしてるから批判されてる事に気が付かないんだろうか。
前川喜平氏がNHK会長の候補だったとは知らなかったけれど、それを推薦する時点でもう、この本はしかしNHKの内情を知らしめてくれてる点で得難い本でもある。
安倍総理によるNHKへの政治圧力なるもの、2005年時点という時系列の合致からするとここに書かれている内容の事かな。
慰安婦問題はもうケリがついてる。散々誤報を繰り返した朝日新聞は一応謝罪して記事を取り消してる。韓国はまだゴネて海外に慰安婦像を設置してウソを広めてる。
その発端を作ったNHKがナニ云ってるんだか。あっ、wikiの下の方に関係者としてNHKチーフプロデューサー長井暁と著者の名があった。
中日新聞は日曜日の読書案内にこういう左テイストの濃い本を紹介するんだね。書評の下にもう一冊と紹介してるのも、
「公共放送NHKはどうあるべきか「前川喜平さんを会長に」運動の記録」
という本。文芸部社員の本の選び方で中日新聞の立ち位置も良く判る。
しかしそれでなくてもNHKは左傾メディアだと思ってるのに内部ではまだ傾き方が足らないと批判する勢力がいるんだ。
もう「公共放送」の看板は取り外しましょう。そうすりゃ思いっきり左傾できる。ただし受信料はあてにせず自分たちで稼いでやってね。
この辺り政府からの金をあてにしてゴネてる日本学術会議と似たところがある。「金は寄こせ、口は出すな」
今朝4時45分頃の東の空
5時ちょうどに山の端から顔を出す。
現在は曇り空。