昨日は一日中雨。昼食後傘を差していつもの散歩には出たけれどあとはずっと家の中。帰ってから久し振りにアマゾンプライムのビデオでもと旧作邦画を探す。
東宝の社長シリーズや若大将シリーズは面白いけれど有料。大した金額ではないけれど何時も見てる日活映画を探すと「四つの恋の物語」という映画が目について視聴。
1965年の作品で監督は西河克己。題名が表示されキャスト、スタッフの名が流れ、主演の4人姉妹の名と演ずる俳優の名前。
長女、芦川いずみ、次女、十朱幸代、三女、吉永小百合、四女、和泉雅子。父親に笠智衆、男優陣、浜田光男、藤竜也、関口宏。
物語は、父親が定年退職を迎え退職慰労金を貰って家に帰って来る。250万円、昭和40年当時では大金、カバンを大事そうに抱えて帰って来ます。
退職祝いをするうち父親はカバンから50万円ずつの札束を取り出し自分も入れて娘4人に均等に50万円ずつ渡し、これは嫁入り費用の前渡しと伝える。
あの頃は、この映画は昭和40年の作だけど、月給は現金が月給袋に入っていて、ボーナスなんかは、沢山もらえる人はゴッソリ厚いから袋が立った。
娘それぞれに働いて、4女は花屋、3女は電話交換士、次女は何処か判らないけれど藤竜也演ずる経営の苦しい会社の息子の恋人がいる。長女は一度結婚に失敗している。
他人だけれど子供の頃から親しく一家付合いしてる浜田光男は3女の吉永小百合の2歳下。家族のように出入りしてる。
結婚に失敗した長女には喫茶店経営の話があり50万円をそれに充てようとしてる。次女の十朱幸代は経営の苦しい藤竜也に全額を渡す。
4女はしっかり者で競馬で稼ごうと競馬場に通ったりして現実的。父親も定年後は自由にやりたいと、実は横山道代の飲み屋の女から色気で迫られ満更でもない。
3女の吉永小百合には父親と同じ会社に勤めるけれど大金持ちの息子である関口宏からバラの花束を贈られプロポーズを受けてる。
2歳年下の浜田光男は子供の頃から姉弟のように育った吉永小百合が好き。金持ちの息子にプロポーズされたと知って敵わぬと諦める。
この先色々ありまして、しんねりムッツリ芝居が続いたら嫌だなぁと思って観てたら深間に落ちずアッサリ。原作を見ると源氏鶏太、成る程、後味がよろしい。
サラリーマン小説というジャンルがかつてあって、源氏鶏太の他には目白三平の中村武志とか山口瞳とか、石坂洋次郎も青春ものだけど入れときましょう。
あと忘れちゃいけない作家として樹下太郎。樹下太郎は目立たなかったし作品もそう多くはないけれど、小説月刊誌に時々発表する作品は待ち遠しかった。
本棚を探したら文春文庫の「サラリーマンの勲章というのが1冊だけ見つかった。
彼の小説は激しさとかギラギラなんかとは離れて、葛藤はあるけれど穏やかな情景を描く大人の小説。所どころに清潔なエロもあります。
サラリーマン小説は昭和の時代の小説ですね。今は経済小説という分野でサラリーマンというより企業戦士として、組織の中の一員として描かれてる様な気がする。
山口瞳の「江分利満氏の優雅な生活」のエブリマン氏はその頃の普通のサラリーマンの気分を描いて読まれたし、源氏鶏太は高度成長期の伸びやかな会社員勤めを描写しベストセラー作家だった。
この映画の原作「家庭の情景」を検索したら大映でも映画化されてる。1962年だから3年前。原作は5人娘だけれど映画では両作とも4人娘という設定。
大映の配役、父は山村聰、長女は若尾文子、次女は叶順子、三女三条魔子、四女渋沢詩子。男優陣、田宮二郎、根上淳、藤巻潤、川崎敬三、川口浩。
色仕掛けの水商売女は藤間紫、こちらも当時の売れっ子勢ぞろいで面白そう。結末見えてるから肩こらずに楽しめそうな映画。
映画の中で拾ったクリップ
関口宏が乗ってる車、シボレーコルベア リアエンジンのコンパクトカー。
船橋サーキットが出て来る。関口宏がサーキット走行、乗ってる車はコルベット。排気量関係なしで混走。
サーキット初期は車持って走る人なんて少ないからスポーツタイプ持ってれば何でも一緒にして走ってた。
鈴鹿サーキットでもジャガーEタイプとミニクーパーとボルボクーペが一緒に走ってた。芸能人のお遊びレース。
ジャガー乗ってたのは安田銀次郎ってパチンコ屋かなんかで金持ってた人。ミニクーパーは漫画家の佃公彦。ボルボは女優の魚住純子だったか、レースと云うより走行会。
船橋サーキットのレースに出てた車、MG、ダットサン・フェアレディ。当時新車で88万円くらいだった。
クラウン、グロリア、セドリック ヒルマン、が街中を走ってる。
山手線 自動切符売り場、切符10円、20円。
和泉雅子が映画の終わりに乗ってたグライダー、その場面で一瞬出て来る堤防の上のオートバイ、確定できないけれどカワサキのB7に見えた。プレスハンドル、ボトムリンク。
住んでる所は高層団地、今から見ると狭く年ごろの娘4人父親と同じ部屋で寝てる。