晴れたり曇ったり

毎日空を見て暮らしています。良い天気の日もあるし曇ったり荒れたりする日もあるし、日々繰り返し。

青山繁晴「夜想交叉路」 日本も狙うチャイナ気球

 青山繁晴の最新著書「夜想交叉路」を読了。200ページほどの作品ですから読むのにそれほど時間は掛からない。

 作品の主人公は青山繁晴を思わせる新聞記者。その母、実は祖母。昭和の初めから現在までの約100年の家族の歴史。

 家族構成が複雑で紙に書いておかないと話が見えなくなる。それを200ページにまとめてしまって、他の小説家だったらこの3倍、5倍になるだろうというのがまず感じた事。

 話の構成は面白いのに物語のダイジェストで終わってしまってる。勿体ないなとも思うし青山繁晴は小説家ではないなとも思う。

 政治家としての青山繁晴を評価します。それも「大」の付く評価。素晴らしい政治家だと思います。だからネガティブな言葉は使いたくないけれど小説作品としてみたら物足らない。

 青山繁晴はジャーナリストでありリアリストであり、小説家というある意味ウソつきの才は残念ながら持ってないと思う。

 小説家で政治家と云えば何人か思い浮かぶけれど政治家としてマトモだったのは石原慎太郎くらい。彼が両立できたのは日本人として背筋の伸びた姿勢、信念があたからでしょう。

 ただ政治は信念だけでは務まらず泥臭い調整仕事の積み重ね、国会議員としてはその不足分がネック。その後都知事としてはトップに立ったことで存分に良い仕事をしたんだと思います。

 青山繁晴共同通信記者としてのキャリア、シンクタンク独立研究所社長としての蓄積した情報、データをもとに現在政治家としてフル活動してる。

 得難い人材、こんな政治家今までいなかった。それを思うと、小説を書くのが青山繁晴氏の生き方の一部である事は理解しつつ、政治にもっと重きを目指して頂きたいなぁと。

 寝る間惜しんで小説書いてるんだから時間が幾らあっても足らない。奮闘してる姿を見つつこんな事云うのは申し訳ないけれど、ま、他人の勝手な云い分です。

 ただ、献金を受けない、パーティを開かない、支持団体を持たない事を公言し、しがらみのない立場で政治活動をしていくには自身で活動費を捻出しなければならない。

 著書の出版はその手立てだという事もよく理解します。だから本屋で著書を探して購入する。もっと誉め言葉を書けば良いんだけど、ご本人本音をズバリ云う人だから、倣って、辛い読書感想になって仕舞いました。

 
 小説家は嘘つきの才能がなければ、その才能のない人はなれないんだと勝手に思い込んだ経験があって、1980年頃、半村良の講演を聞いてそう思いました。

 池袋の西武、堤清二が、隣にあった丸物百貨店もひっくるめ西武のリニューアル、新しい文化創造を繰り広げ始めてた頃、半村良の講演があって出掛けたわけです。

 せいぜい30人ほどが入る小部屋で、御大、水商売上がりですから伊豆の旅館の板前修業時代を語り始めます。タコを茹でる話、鍋に湯を沸かしそこに糸で吊ったタコを足の方からそろりと入れてゆく。

 そうすると足がクルっと丸まって形の良いタコが茹で上がる。そのうち仕事ぶりが認められてそこのお嬢さんにも親にも気に入れられて婿さんに迎えられる。

 その話の途中、時々タコを茹でる話が入って来る。聴衆は逆玉の板さんの話に酔ってる。またタコ茹での話が入って来る。その辺りで半村良のウソ話に気が付き始める。

 半村良はニヤニヤしながら話を続けやがて聴衆全員がウソ話に付き合わされてた事に気が付く。見事な話術、話の持って行き方。


 
 角川の野生時代に連載されてた小説で半村良の「不可触領域」とか「闇の中の系図」とか読んで、この作家の想像力の飛躍ぶりに感嘆。

 中でも古代より続く「嘘部」という一族がいるという話、情報を操作して政界に暗躍するというあながちデタラメとは云えないデタラメ話に唸ったもんです。

 もうこれは才能としか云いようがない。勿論小説の分野には私小説というのもあって小説全部がウソとは云いませんが、ない事をあった事のように書く事で小説世界は広がり読者を頷かせる。

 

 政治家青山繁晴、舌鋒鋭く現在日本の置かれている状況を憂きつ解説。

www.youtube.com ・・もうこれずっと安倍さんも含めて言えば 解釈憲法で来たわけですよね。

 ・・でもう憲法の他のところに課題があってもまず9条を 直さないと命がなくなる。

 ・・国防費がなぜ必要かというと 究極の社会保障だから。

 ・・つまり戦争を起こさないように 起こさせないように抑止力を持つイコール 命を守る。

 ・・命を守らなかったらその先の社会保障も教育も何にもないのでこれがナショナルディフェンスということの基本なんだけど ・・