晴れたり曇ったり

毎日空を見て暮らしています。良い天気の日もあるし曇ったり荒れたりする日もあるし、日々繰り返し。

旧作映画 「さらば冬のカモメ」 

 今使ってるパソコンも8年目に入って、少し前には電源を入れて立ち上がるのに10分も15分も掛かるようになって来たのでHDDをSSDに交換。

 交換だけなら自分で出来るのだけどなんで時間が掛かるのかも見て貰おうとパソコンショップに出したのけど良く判らず。

 手っ取り早く速くするにはSSD交換だというのでその場で交換を頼み500GBを入れ工賃込み3万円。

 確かに早くなって、しかしデータを移さず交換しただけの手抜きだったと後で気付く。外したHDDはSATAケーブルで繋いで外付けストレージとして使ってた。

 それで良かったんだけど、別のポータブルHDDのデータをそこに移そうとして失敗をして動かなくなってしまった。

 それでも普通に使えてたんだけどDVDを見ようとしたらが再生できなくなってた。ソフトをダウンロードするか外付けDVDプレーヤーを繋ぐか。ノートにも使えるからと外付け購入、5000円。

 積ん読ならぬ積んだままのDVDが10本ほどもある。レンタル落ちの300円とか500円の旧作映画。気になってたけど見てなかったりしたものを都度買い集めてた。

 

 昨日久し振りにDVDで映画鑑賞、積ん読ならぬ積んビデオが10本ほどもあって見ようと思いながら上記パソコンのプレーヤー不調で見られなかった。

 どれにするか選んだのは「さらば冬のカモメ」1973年の作品で主演はジャック・ニコルソン。当時評価の高かった作品で若い頃に見た記憶はある。

 

 

 

 だけれど囚人を護送する大まかなストーリーくらいしか覚えていない。なんてったってジャック・ニコルソンだから、再度観れば記憶も蘇るだろう。

 そう思って見始めてあのアクの強い演技、個性的で否が応でも目立って、若い頃見ればこれは引きずられる。

 でも歳とって観ると演技過剰に見えるところもある。シナリオの所為もあるし監督の意図もあるだろうけれど何だかという場面も多い。

 ビデオのパックには「心温まる珠玉のヒューマンストーリー」とあって若い囚人を刑務所に送っていく話だけれどこの惹句は配給会社のもの。

 若い囚人は40ドルほどの寄付金をくすねようとしたところを見咎められ8年の刑。それは理不尽だと思いつつ上官の命令で護送役に付くベテラン下士官二人。    

 幾つかのエピソードを重ねて囚人と護送役二人との間に生まれる連帯感を描いていく。ワシントン、フィラデルフィア、ニューヨーク、ボストン、その先に在るポーツマスの海軍刑務所迄。

 その旅のロードムービー。グレイハウンドの長距離バス、鉄道を乗り継ぎ2日もあれば着くところを何日もかけたのは万引き癖のある純朴な18歳に同情したから。

 いろんなことが起きて、日蓮正宗が出て来る。南無妙法蓮華経、これはSGIだな。タイアップかな、奇妙な違和感を感じつつ見流す。

 最後に逃げ出そうとした若い囚人を殴りつけて刑務所に送り最後愁嘆場とはならず若者は刑務所の奥に消えていく。そこで映画は終わる。

 このあっけなく淡々とした終わり方は悪くない。ジャック・ニコルソンはこの映画でカンヌで男優賞を取りアカデミー賞でもノミネート。囚人役のランディ・クエイドも助演男優にノミネート。

 

 映画の出来についてはあまり感情移入できなかったけれどタイトルにある「冬」という季節がこの映画の主題を物語ってる。

 セーラー服の上に着たPコートの襟を立てて、それでも寒そうに白い息を吐き、雪に覆われた無人の公園で最後の別れのバーベキューをする3人の男たち。

 焼いたソーセージをのっけるパンを買い忘れて様にならない別れのパーティ。無骨で要領の悪い男たちの冬の人生。

 映画は作り物、フィクションだからどうしても製作者の作意は見える。人によってそれがすんなり入るかあざとく見えるか。

 評価が高かったという事は多くの人が受け入れた結果。部分部分気になろところはあったけれど見終わった印象は悪くない。

 個人的にはストーリー展開もさりながら1973年という時代が写ってる細部に目が行きその事を味わった。

 後輪2軸のダブルタイヤという大型のグレーハウンズバス。第一次世界大戦辺りからある老舗のバス会社、広大なアメリカの都市間移動の定番。

 バスの車内、鉄道の列車内、駅の構内、トイレ、娼館、娼婦、たばこ、葉巻、缶ビール、ハンバーガー、安ホテル、チェッカーマラソンというタクシー、

 そして最後に出て来る人っ気のない雪の薄く積もった寒々とした公園。ベトナム戦争の影もある70年代という時代を眺めてて余韻が残った。

 
 付け足し

 映画の中で字幕に「班長」という言葉が何回か出て来てセリフでもハンチョウと云ってる。ネットで確認したらそのまま英語になってて他の映画でも出て来るらしい。

 三省堂の新グローバル英和辞典で調べたら載ってる。つづりは”honーcho”責任者、ボスという訳。丸善アメリカンスラング辞典には出てなかった。

 

 昨日はお花見日和。F1も雨が降らなくてよかった。
 今朝は曇り空で下り坂。午前中持ちそうだから山登りにこれから出掛けよう。