訃報、作家の森村誠一が亡くなった。90歳、1933年、昭和8年生まれ。戦争が終わった時12歳。
www.jiji.com ・・81年に新聞連載を始めた「悪魔の飽食」シリーズは3部に分けて刊行。中国で細菌兵器の実験などを行ったとされる旧日本軍731部隊の実情を明らかにしたと主張し、社会的な反響を呼んだ・・
www3.nhk.or.jp ・・ノンフィクション作品「悪魔の飽食」では、細菌兵器の開発にあたった旧日本軍の「731部隊」について描きました・・
・・悪魔の飽食などを著した作家の森村誠一さんが死去した・・とあるだけ。護憲派作家だったとしてそちら方面の紹介記事。
宅配された中日朝刊では社会面に大きく取り上げてる。その中で731部隊を描いた「悪魔の飽食」については、
・・細菌兵器など戦争の暗部に迫ったノンフィクション「悪魔の飽食」も話題になった・・と他の作品と並べて紹介するもそっけない。
news.yahoo.co.jp ・・81年のノンフィクション「悪魔の飽食」は、社会的に大きな反響を呼んだ・・
mainichi.jp ・・「悪魔の飽食」がミリオンセラーを記録。同部隊の存在を広く知らしめ、社会に衝撃を与えた。
・・「続・悪魔の飽食」は収録した写真の誤用問題で揺れたが、同シリーズをもとにした合唱組曲(原詞・森村さん、作曲・池辺晋一郎さん)を作って鎮魂と反戦を訴え、2015年には中国黒竜江省ハルビン市から名誉市民の称号が贈られた・・
www.sankei.com ・・旧日本軍の「731部隊」を扱ったノンフィクション「悪魔の飽食」など・・
wikiから、作者が主張したと書いてる。
・・『赤旗』に連載した『悪魔の飽食』シリーズは、旧日本軍第731部隊の実情を明らかにしたものであると作者が主張したことから話題を呼んだ・・
森村誠一の小説は殆ど読んでない。殺人事件が起きてその謎解きという推理小説は、本棚見ても「半七捕り物帳」とか「大誘拐」くらいしかない。
「人間の証明」も「野生の証明」もベストセラーになった時代を知ってるけれど読んでない。「悪魔の飽食」も読んでないけれど大騒ぎになった事は知ってる。
そしてその後このノンフィクションに疑問符が付いた事も知ってるけれどマスコミは都合の悪い事は騒がないから世間は「日本軍、悪いやっちゃ」というイメージだけが残ってる。
これは当然中国に利用される。
fukuoka.china-consulate.gov.cn
・・戦時中に旧日本軍に逮捕された後、関東憲兵司令部から731部隊に特別移送され、細菌を使った人体実験の犠牲となった外国人(「特移扱い」と呼ばれた)22人の名簿と資料が1日、中国の歴史研究者によって初めて公表された。
・・犠牲者は旧ソ連の兵士やスパイ、旧ソ連のために活動していた朝鮮人スパイなどで、旧ソ連人15人、朝鮮人6人・・
実際の所はどうなのか、自身で判断できるほどの知識はない。だけどマスコミの訃報に添えた作者の経歴、作品紹介記事の中で「悪魔の飽食」についての記述は控えめ。
ノンフィクションと銘打ってあるけれど、アメリカン公文書館の資料が公開されるとそこには
・・731部隊(関東軍防疫給水部)は細菌戦研究はしていたものの、違法な細菌戦や生体実験を行った証拠はなかった・・
新聞が「悪魔の飽食」の記述に素っ気ないのは後に判明したこうした事実があるからなんだろうなと、「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」ブログさんを読んで思う。
中日新聞は7月18日の紙面で「731部隊 職員表発見」という記事を政治面で結構大きく取り上げてた。
名簿がどうしたと思うけれどマスコミはまだこれをフレームアップして騒ぎたいんでしょう。記事で、
・・捕虜への人体実験などを極秘裏に実行した731部隊の職員表・・
と書いてるけどアメリカの文書では人体実験した証拠はないって云ってるよ。してない事を実行したって書いちゃって大丈夫なのか。
左 7月18日付け 右 7月25日付け
・・▼旧日本軍「七三一部隊」の細菌兵器開発のための人体実験を告発したノンフィクション『悪魔の飽食』で無関係な写真を誤って掲載。
・・「国賊」と街宣車に怒鳴られ「写真がインチキであるから、内容も噓(うそ)にちがいない」と筆を折るよう唱える識者もいた。
・・それでも、写真は誤ったが書いたことは真実だとして引き下がらず続編を書いた。文弱とは到底言えぬ腹のくくり方である・・
「それでも」・・以下、真実だと思って書いたのは森村誠一で、そりゃ彼はそう思って書いたのかも知れない。で、春秋子さんはどう思ってるの?
ジャーナリストだから米国文書館の記録は知ってるでしょう。「違法な細菌戦や生体実験を行った証拠はなかった」という記録。
知らん訳ないから亡くなった森村誠一の言葉を借りて「731」のマイナスイメージを世間に振り撒いてる。
写真は間違ってたかも知れないけど文章の方は作者は真実だと云ってるよって、こういう誘導、何時もやってるマスコミの手口。